追悼

2012.12.24 Monday
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    シド氏が亡くなりました。
    原因不明の突然死でした。
    わずか五歳でした。
    そうして、約一ヶ月が経ちました。

    誕生日が4月28日。命日が11月28日。
    なんとまあ、覚えやすい。

    そうして、いま、新しい子が家にきました。
    生体価格があり得ないほど暴落した六ヶ月の男の子。
    シド氏に生き写しで、見た瞬間涙が止まりませんでした。
    旦那と相談した結果、うちで引き取ることに。
    そうしてシバと名づけられました。

    初めて散歩へ行こうとしたとき、六ヶ月間も狭いおりの中にいたため、
    足腰が弱ってしまい、生まれたての子鹿のようでした。
    いまではやんちゃっぷりを発揮し、元気に走り回っています。
    障害物はどんどん乗り越えて先へ進み、取り残されればぴよぴよ泣いて大アピール。
    ご飯はかまずにがつがつと丸のみ。

    本当は余裕で乗り越えられるくせに、甘ったれて、障害物の前でじっと
    あたしか旦那が救い出してくれるまで待ってたシドさん。

    ずいぶん静かで、あれ、シドは? と捜したら、実はドアの外に締め出されており、廊下にお座りして無言でリビングへのドアが開くのを待っていたシドさん。

    食べ物に執着せず、常に遊び食いをし、ドライフードを一粒一粒かみしめていたシドさん。

    まるで正反対の性格を持つ子たち。
    どっちがどうと比べることはできないけれど、やっぱり、ふとしたときにね。
    シドさんに会いたい。と思ってしまうわけです。

    でもね、シドさんの分も、いっぱい、いっぱい、新しい子と一緒に旅行をして、楽しい時間をたくさん過ごしたいと思ってます。

    シドさん、いままでありがとう。そして、シバさん。これからよろしくね。


    それでもうんこはでる

    2012.11.05 Monday
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      ちょりーす。

      久々に記事でも書こうとしたら、パスワード忘れててびっくらこきました。
      そんなに長い間、逃避してたんだなぁ。
      いろいろなことから。

      直メで励ましてくれたり、生きてるかーメールくれたりしたみなさま。
      本当に、本当に、ありがとうございました。
      お返事、返さなきゃ、返さなきゃ。と思いながら、手が動きませんでした。

      しかしですよ。
      どんなに精神的に参っていても、うんこはでるわけですよ。
      つまり、死なない程度に食べてるわけですよ。飲んでるわけですよ。
      生存本能みたいなやつがね、きっと、コントロールしてるんです。
      無意識のうちにホールケーキ食ってたりね。

      ああっ、なんであたい、ケーキなんて食ってんだ!
      しかもバタークリームの濃ゆい外国製!

      って、たまに正気に戻ったりするんです。

      タバコの量も増えましたね。
      それもまた人生。

      バイオハザード6を購入して、久々にかっこええレオンに会って、
      がっすがっす体術でゾンビフッ飛ばしてたら、なんか元気でました。

      新しい職場にも慣れてきて、こうして上司の目を盗んで
      仕事さぼってブログとか書いちゃってます。

      鳥取のゲゲゲロード襲撃して、初恋のカレと写メだって撮りました。
      アレです、髪の毛針にして飛ばすカレです。

      帰宅するたびにシドがうんこの中にもりもり埋もれているので
      最初はいらいらしましたが、いまはむしろ割り切ってます。
      ヤツはシドじゃねぇ。ヤツはうんこの塊だ。
      うんこがうんこまみれなのは当たり前だ。

      そんなこんなで、いまは書籍を読み漁ってます。
      一日一冊のペースで。我ながら早ぇな。

      あ、五時です。
      イエローハットが五時をお知らせしてくれました。
      残務処理に戻りマッスル。

      また会う日まで。ちゃお。


      三ヶ月ぶりくらいに

      2012.05.27 Sunday
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        みなさまおひさしぶりです。
        とはいっても、このブログをまだ見てくださっている方がいるのかどうか。
        サイトを閉鎖して、約二ヶ月ほど、その間、いろいろなことがありました。
        身の回りの激動に自分自身驚いているところではありますが、まあ、とりあえずうんこは元気です。

        出会いもあれば別れもある。
        選択肢が間違っているんじゃないかって不安に足が竦むけれど、まあ、進まなきゃ何も始まらないしってんで、がむしゃらな生活を送ってきて、いま。
        結局、何も答えはでないままなんですが、少なくとも周囲に想ってくれる人たちがいて、没頭できる仕事があって、この先もなんとか生きていくんだろうなって想い始めました。

        あ、実はデザイン事務所に就職しまして。
        三月の中旬ですな。サイトを閉鎖してすぐくらいです。
        その後、着々とリニューアルオープンに向けて漫画やイラスト、小説を書きためたりしてたんですが、仕事があまりに忙しく何も手に付かない状況になり、気づけば長期閉鎖に。
        そろそろ創作活動が恋しくなってきまして、微々たるコンテンツでもなんとかサイト再開できればなと思っておりますです。はい。

        EDENのリライトも中途半端、続編のHOFFNUNGも中途半端、応援してくださっていた皆様には大変申し訳ない状態なのですが。
        ぼちぼちぼちぼち。うん。始動したいです。

        それではまた、近いうちに(きっとたぶんほんと)


        ちなうn子


        太陽の道 −2−

        2011.12.16 Friday
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            遠くの方で人の声がする。頬が熱い。おじいちゃんかな。おじいちゃんが僕を呼んでいるのかな。そんな訳ない。だっておじいちゃんはとっくに死んじゃったんだから。僕は独りなんだ。誰も知らない。誰にも知られない。それはきっと死んでいることと同じだから、だからきっと僕はこうやって死んでいくんだろう。でも人の声を聞くのはなんだか久しぶりで、僕はなんだか嬉しいな。嬉しくて、笑いたくなる。ははは。ははははは。熱い。すごく熱い――

           ロイを見下ろしていた「それ」は一瞬考えたあと、小さく横たわる少年の体に引っかかった擦り切れた鞄に手を掛けようとして、結局やめた。ぺちぺち、と上を向いた彼の左頬を軽く叩き、おどけたような声で「おーい」と耳元に呼びかける。

           徐々に大きさを増した三度目の「それ」の声に反応したのか、ロイの瞼は何かを思い出したようにゆっくりと開いた。

           「生きてんじゃん。 やったね。 いひひ」

           ロイの霞んだ視界に映ったのは奇妙な形をした人間ではない何かだった。頭のてっぺんからストンと白一色。首もウエストもなく、脚さえ無い――シーツを被ったようなメリハリの無い身体の足元は、擦り切れた大人用の革靴が大きすぎてブカブカだった。両脇からは白く細い腕が二本にょっきりと生えている。

           「あ、僕やっぱり死んじゃったんだ」

           現世にこんな変な生き物がいるわけがない。そう思ったロイの口からは自然とそんな台詞がこぼれ、一度上げかけた首を再びドサッと地面に落とした。

           「あ、失敬だなちみは。 アタシャこれでも人間だよ。 まあとりあえずこれでも飲めや」

           そう言って差し出された革の水筒を手に取ったロイは、我を忘れて横になったまま喉に流し込む。微かに甘く、花のような香りのする液体が口を潤し、一気に体内に染み渡る。

           「あ、ごめ…、 全部飲んじゃった僕」

           「気にすんなって。 アタシこう見えても結構な年寄りだからそれなりに知恵があるんだ」

           “奇妙な白い布切れ”の中から聞こえてくる少女のものらしき声は口調とはあまりにも不釣合いなほどに澄んでいて、隠しきれていない両腕はどう見ても自分のものよりか細い少女のもの。ロイはますます訳がわからなくなる。

           思いがけない水分補給のお陰で起き上がることのできたロイは、道の脇にある岩に腰掛けていた。隣には命の恩人である“白い生き物”並んで座っている。

           「あの、君は…」

           「あたし? あたしはマカリ。 あんたは?」

           「僕、僕はロイだけど、そういうことじゃなくて」

           「ああ、もしかしてこの恰好のこと?」

           顔と思われる部分に申し訳程度に配置された二つの黒い点は、どうやら目のつもりらしい。ぐるりと自らの身体を一周すると、ロイの目線でピタリと止まる。それはまるで相手の反応を窺っているかのような仕草だった。口の部分には頼りない切り込みが一筋入っていた。

           「う、うん。 まあ…」

           ロイはこみ上げる笑いを堪えつつ、咄嗟に視線をそらした。

           「これはね、分からないんだ」

           「分からない?」

           目の前の着ぐるみモドキに再度視線移したロイは、今度はなぜか少し悲しい気持ちになってしまった。どう見てもせいぜいあどけない少女としか思えないのになんとなく言動がそぐわっていないし、とにかく彼女はいろんなものがちぐはぐ過ぎる。胸がざわざわしていた。

           「昔、すごく悲しいことがあってさ。もうなんにも見えなくなっちゃって自分や他人、その他の全てのものを呪いながら暗闇の中でうずくまっていた時期があった。この世なんて無くなってしまえばいい、人類なんて絶滅してしまえばいい。自分なんて生まれてこなければよかった。てね」

           太陽がじりじりと照りつける。先ほどのものとは別のふたご鳥が優雅に頭上を旋回していた。

           「それがしばらく続いて、鏡を見てみたらこうなってたんだよ」

           「取れないの?」

           「それが不思議と体の一部になってしまってるみたいに、どうしても取れないんだ。でも、やっかいだったのはこれだけじゃない。というかむしろもっと困っているのは――」

           溜め込んだ不安を吐き出すようにマカリはふうっと一つ息を漏らした。

           「歳が逆行している」

           「え?」

           「早い話、この姿になってからどんどん若返っていってるんだよ、アタシ」

           ロイは改めて彼女を眺めた。もうすぐ地面に届きそうなほどに足元まで伸びているシーツ。少し前まではその下から素足が見えていたというのだろうか。

           「きっとバチがあたったんだろうなあ」

           あやふやに浮遊したマカリの声は、熱と埃に紛れてすうっと消えた。

           「家族も、友人も、知り合いもみんな死んでしまった。残されたのはアタシだけ。プラチナム・ロード。希望への道。ほんとうにそんなもんがあるのかは分からないけど、出来ることならアタシも彼らと同じように生きてきた人生を死んでいきたい。このまま逆行して全て無かったことにされるなんてまっぴらだよ。だからこの旅を始めた。なんたって、もう時間が無いもの。そういうあんたは?」

           「僕も似たようなもんさ。何もかもが干上がっちゃって、草も木も人間もみんな消えてしまった。とうとう最後に残ってしまったのが僕って訳。この道を進むしかないんだ」

           どちらからでもなくすっくと立ち上がると、二人は無言でプラチナム・ロートの先を見つめた。それはあらゆる可能性に満ちているようでありながら全ての終わりを示唆しているように、地平線と空の境界に深く食い込んでいた。

           「効率的な水分の入手方法、教えてあげるよ」

           そのとき、一陣の強烈な熱風が正面から二人を煽った。ロイは手を翳し、マカリは身じろぎもせず真っ直ぐに前を見据える。

           「おかしいな、この風。 これってまるで…」

           不安そうなマカリの声に、ロイも心中穏やかでは無かった。昔祖父から聞いたことのある風の匂い。そうこれはまるで…。二人は第二段の熱風を身体に受けながら、ある一つの同じ可能性について考えていた。
           

           *・゜゚・*:.。..。.:*・' おしらせ '・*:.。. .。.:*・゜゚・*

           この作品は《KAPPAPPA GRAFFITI》の有藤まこと氏との合作で、交互に執筆しております。
           ザッピングとして、まこと氏のサイトで別サイドの『月の道』が掲載されています。
           そちらもまた交互に執筆しています。文章のクセの違いをお楽しみください。
           http://arifujimakoto.blog55.fc2.com/


          生存報告+追伸アリ

          2011.12.14 Wednesday
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            ほとんど更新もせず申し訳ありません。
            プライベートが忙しく、さらに右手ひとさし指の悪化。

            痛みがまったく治まらんなぁと思いつつ、だらだら酷使していたところ
            実は剥離骨折していたことが判明。

            一本だけ血も通ってないし、神経にやたらさわるし、
            おかしいなとは思ってたんですよね。

            漫画も更新したいなぁと思いつつ、なかなか
            執筆もまったく進んでいません。

            そんななか、まこと氏との合作を開始。
            遅筆でご迷惑をおかけしまくってます。ほんとゴメンナサイ。
            でもあの合作に助けられている状況です。
            誰かと一緒になにか作るって名目でもなけりゃ
            ワードソフトに向き合う機会などほとんどなかったと思われ。

            てな感じで、無気力症候群に包まれてはおりますが

            生きています

            太陽の道の続きは、数日内に公開予定です。


            ブログのコメント機能廃止しました。
            コメ返ししていなかった方々へ、この場をかりて。

            ■二号さん
             やっと合作開始しましたわ。
             まどか氏の想像力の豊かさに引きずられるがまま……。
             いやあ、いい勉強になりやす。
             年末はちょっとなにかと忙しいんで、襲撃は来年まで待ってくれたまえ。
             鬼ごろし用意して待ってるze!
             かっぱも召還したいなぁ。


            ■ロケットさん
             コメントありがとうございました。
             しかし自作の設定や展開については私なりに脳内に広がっておりますので
             助言は無用でよろしくお願いいたします。
             素晴らしい作品を書き上げられること、陰ながら祈っております。


            ■薄い桃さん
             いつも暖かいお言葉ありがとうございます。
             もう少し傷が癒えたら、アレです。お楽しみのアレ、イヒヒヒヒ。
             そっち中心になっちゃったらどうしようって感じですが!
             別にかまわないですよね、うひひひひひひ。
             超きょどってるので、この辺で。
             またいつでも挑戦受けてたちますぜ! 目指せアレで三時間トーク!


            太陽の道 ─1─

            2011.11.29 Tuesday
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               白い砂利が踏み固められてできたその道を、集落の人々は希望への白い道、プラチナム・ロードと呼ぶ。
               一歩、一歩、踏みしめるように歩きながら、ロイはあごから伝う汗を腕でぐいと拭った。そうして首から下げていた水筒を宝物でも抱えるように、大事そうに両手で持ち上げるとふたを開け、ゆっくりと飲んだ。
               まだ喉仏の出ていない細いのどが、ごくり、ごくりと小さく上下する。慎重に三口ほど飲むと、一滴もこぼすまいと水筒の口を軽く拭うように口を離した。
               水は貴重だ。
               かすんだ太陽がじりじりと照りつける炎天下の中、汗はひっきりなしに流れ落ちたし、のどはからからに乾いた。しかしぎりぎりまで温存しなければ、次の給水ポイントは何マイル先になるか分からない。
               この白い道の先がーー全く先の見えない、地平線に埋もれる道の先をロイはにらみつけたーーこの道が、本当に希望へ続いていればいいのに。
               集落の大人たちは道の先に希望が残っていると信じてーー人類の生き残りがほかにもいると信じて、一人、また一人と旅立ってゆき、戻ってはこなかった。ロイの両親もまた同様に。
               ロイは集落最後の子ども。育ててくれた祖父は先週亡くなった。だからロイは集落を捨てる決意をした。孤独をその小さな体に背負い、まだ見ぬ同胞を捜す旅へ身を投じた。
               キュイイイと、甲高い鳥の鳴き声が茹だる空気を引き裂いた。陽炎がゆらゆら揺れている。ぐにゃりとゆがんだ景色が、あたかも何か別のものがそこに存在するように幻影を見せる。
               ロイの小さな体を一日の休息もとらずに運び続ける、これまた小さな足が、砂にとられてくらりとよろめいた。
               水。
               水筒に手を伸ばしかけたロイは、軽く首を振ると足にしっかりと力を込めて、また一歩、前へ踏み出した。
               今、水を飲むわけにいかない。ほんの数分前に飲んだばかり。この先、どれくらい歩かなければならないか、分からないのだから。
               そう自分に言い聞かせて足を動かすことだけに集中する。
               昨日の朝、最後の食料である乾燥木の実を食べ終えた。もう携帯している麻袋の中には何も残っていない。チーズひとかけら、いや、パンくず一つ。しかし空腹は感じなかった。水を飲みたい。のどが乾いた。残っているのはその欲望のみだ。
               首から下げているギルシュの胃袋で作った水筒の中身を、最後の一滴まで飲み干してしまいたいという、強い欲望。しかしその誘惑に負けてしまえば、道の先を見ることは決してできないだろう。
               先ほど聞いた、甲高い鳥の声が再び響いた。同じ音だが、同じ個体の鳴き声かどうかは分からない。嫌な声だとロイは思った。まるで、同じ種族の別個体が、鳴き声で連絡を取り合っているように感じられる。獲物がいる、もうじき獲物になるであろう、小さな子どもがここにいるぞと。
               そのとき黒い影が急降下してきて、身を屈めたロイは頭を守るように腕でおおった。さっと横をかすめた影が、再び空へ旋回してゆく。
               空を仰ぐ間もなく、第二陣。
               キュイイイと耳元を鳴き声が通り過ぎてゆき、もっと離れた位置で同じ声がキュイイイと答える。
              「ふたご鳥だ!」思わず声を上げたロイは、砂塵避けのローブをしっかりと体に巻き付けて走り出した。
               ふたご鳥は、常に二羽セットで行動する。一羽が敵をひるませ、もう一羽が攻撃を行う。しかし、普段は動物の死骸を食料としており、狩りをすること、特に人間を襲うことはほとんどない。しかし例外があるとロイは祖父から言い聞かされたことがある。
               産卵の時期はその限りではない。卵を産むメス鳥は、莫大な量の餌を食べる。なぜなら産んだ卵を温めるため、半年間ほどを飲まず食わずで過ごすからだ。その時期に限り、雄は二対で狩りをする。二世帯分の食料を確保するため。
               僕を餌にするつもりなんだーー背中に迫る圧力を感じながら、ロイは思った。僕の命を、新しく生まれてくる命の贄にするつもりなんだ。と。
               降下してきたふたご鳥の鋭いくちばしが、ロイの体を傷つけることはなかった。その前にロイ自身が道を逸れ、柔らかな砂塵に足をとられたからだ。
               しかし転倒した頭上から、もう一対のふたご鳥が襲いかかる。軽くあごをあげると高速で羽ばたく黒い翼がちらりと視界に映り込み、ロイはぎゅうっと目をつぶった。
               くちばしが体の下に潜り込む。ものすごい力でひっくり返され、仰向けになった目に、ふたご鳥の真っ赤な瞳を縦断する黒い瞳孔が見えた。もう一対が頭上から降りてくる。
               しかしロイの体がついばまれることはなかった。落下してきたふたご鳥の片割れはその鋭いくちばしで水筒をぱくりとくわえると空へ舞い上がった。ロイも同時にふわりと持ち上がる。痩せっぽちで小さな体はするりと水筒のひもをくぐり抜け、とさりと力なく地面に落ちた。勝ち取った獲物に満足するように、頭上で二羽のふたご鳥が旋回する。キュイイイ、キュイイイと、勝ち鬨の声をあげながら、ぐるぐる回っている。死んだ動物の胃袋から造られる水筒は、死肉を食べるふたご鳥にはごちそうなのだ。
               しばらくの間それを眺めていたロイは、二羽の影がまったく見えなくなると、ぱたりと道に倒れた。
               あおむけに倒れて、灰色の空を見つめていた。
               じわりと涙が出てくる。
               腕でごしごしと拭ったが、あとからあとから、湧いてくる涙は止まらない。
               泣かないと、集落を出るときに亡くなったじいちゃんに誓ったのに。そうロイは思ったが、あまりに悔しくて止めることができなかった。
               水を失ってしまった。水だけなら良い。水筒を失ってしまった。このあといくら水源を見つけても、もう水を汲んで持ち運ぶことはできない。幼いロイにもそれがどういう意味なのか、はっきり分かる。人は水なしでは生きていかれない。だからロイももう、先へ進めない。
               それでもロイは、頬に流れている涙を一滴も無駄にできないと舌でぺろりとなめ、ゆっくりと体を起こして再び道の先をにらみつけた。そして、足を踏み出した。
               どこまでゆけるか分からないが、それでも先へ進もう。だってもう、僕にはそうするしかないのだから。
               水がなくなったことを忘れようとしたが、頭はしつこく水のことを考え続けた。それに、先ほどよりもずっと、太陽が照りつけているように感じられた。のどはますますカラカラに渇く。それでも頑張って歩き続ける。
               前方の陽炎は、ゆらゆら揺れている。ゆらゆら、ゆらゆらと、ロイをあざ笑うように揺れる。本当は応援しているのかもしれないが、弱ったロイの心にそのダンスは心ない冷やかしにしか映らない。それに、その横に浮かび上がる小さな水たまり、そうして緑色の葉を茂らせた樹木もまた、熱気と湿気が創り出す意地悪な幻想なのだとロイは知っている。
               よろよろと足をもつれさせると、靴が脱げた。
               しかしもう靴をはき直す力など残っておらず、ロイはそのまま道に頬をつけた。
               道は熱かった。ロイの柔らかな頬を灼いた。じりじりと灼いた。頭上からは陽光が容赦なく照りつける。さきほどまで滝のように流れていた汗がすうとひいていた。小さな体にはもう、流す水分は一滴も残っていない。
               キュイイイと、再びふたご鳥の鳴き声が聞こえた。
               僕が倒れるのをどこかで見ていたんだとロイは思った。
               さっきのふたご鳥だと良いと思った。あのふたご鳥が産卵を控えているともっと良いと思った。
               もしも生まれてくる小さな新しい生命のためになるのなら、それでいい。
               ロイは目を閉じて、そのまま意識を手放した。
               だから、少し顔を上げれば誰かのつま先が見えたことも知らなかった。
               

               *・゜゚・*:.。..。.:*・' おしらせ '・*:.。. .。.:*・゜゚・*

               この作品は《KAPPAPPA GRAFFITI》の有藤まこと氏との合作で、交互に執筆しております。
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              ヘドバンの恐怖

              2011.11.06 Sunday
              0
                昨日は京都でライブでした。
                ヘドバンし過ぎたんで首の付け根あたりが痛しです。
                しかし歳なんで、明日はもっと激痛が襲ってくるのかと思うと
                夜も眠れないほどの恐怖を覚えます。

                そんなわけで、作品的な更新は何もないのですが
                ライブ映像を新規アップデートしますた。
                今回、普通に普段着でステージ上がったんですけど
                この服は太って見えるからあかんなぁとつぶやいたところ


                いや、実際太ったんだから別にいいんじゃね?


                とメンバーに言われて軽い殺意を覚えました。
                そんなきょうこの頃です。


                もう終わりかけとるやないかい!

                2011.10.31 Monday
                0
                   

                   わぁハロウィンではないか!
                   とはりきってサイトのTOP画像描いたけど
                   もう終わりかけとるし。
                   あと六分で11月やし。
                   着手が遅すぎるのが敗因。

                   てなわけでみなさま、ハッピーハロウィン!

                   


                  まんがLIFE更新

                  2011.10.26 Wednesday
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                    じゅしっ。

                    ペンタブ新調したでし。

                    INTUOS4を買おうかどうしようか迷っていたところ
                    BambooComicの新製品が発売されており
                    店頭で触ってみて即買いしたでし。

                    パッド部がラバーなのでひっかかりはいいのだが
                    筆圧調整が微妙に変わってしまって、思い通りに動かん。
                    反応も店頭で触ったときほどではないかな。
                    やはりINTUOS買うべきだったか。
                    でも値段がダブルなんだよなぁ。
                    それやったら、どうせ趣味で使うだけやし安い方にしておいて、
                    たすく司令のエッセイでうっかり情報入手してしもうた
                    ポメラverランバ・ラルを購入しようかなぁとか。
                    いかん、こんなん言うてたら旦那にシバかれる。

                    そんなわけで、指の痛みを圧して帰国後初まんが更新してみました。
                    負傷しててもしてなくても雑で下手くそです。
                    サムネイルクリックでも見られますし、MANGAコーナー『LIFE』にもあがってます。
                     
                    二枚が限度やった。
                    ってか戦国クエストはどうなったんだろうか。
                    まだ二人しかでてこないけど……まあ気長に。うん。


                    指★おれ〜る

                    2011.10.13 Thursday
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                      ただいま ほっかいどう

                      やっと電波の通る地域に出たと思ったら

                      こんなことに……



                      キーボードたたくとひびく そして 時間かかる

                      なんのバチだ一体……